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スイデンテラス 一人旅レビュー|冬の庄内で過ごす年末年始ステイ
更新日:2026年2月19日
冬の日本海へ。スイデンテラスで過ごす、静かな年末年始。
久しぶりに、年末年始にひとりの時間ができた。さて、どこへ行こうか——そんなふうに考える時間も、旅の一部だ。
いくつか候補を探す中で、長野の温泉宿や十日町の宿に惹かれつつ、ふと目に留まったのが山形県鶴岡市のホテル。しかも年末年始にもかかわらず、通常よりも抑えられた料金。迷う理由はなかった。
こうして、年末年始はスイデンテラスで2泊、静かに過ごすことに決めた。
スイデンテラスは、建築家・坂茂氏が設計を手がけた宿。
紙管や木材といった身近な素材を用いながら、独創的な構造と持続可能性を追求するその思想は、館内の随所に表れている。
そして何より、水田に囲まれた立地。冬は一面の雪景色に変わるが、その広がりの中に身を置く感覚は、この宿ならではのものだ。
都心からのアクセスは決して良いとは言えない。
だが、だからこそ旅になる。
今回は、新潟経由で羽越本線の特急「いなほ」に乗るルートを選んだ。
時間はかかるが、日本海沿いを走る車窓を楽しむための選択だ。
年末の寒波の影響で、上越新幹線は雪景色の中を進む。
群馬と新潟の県境、大清水トンネルを抜けると、そこはすでに雪国だった。
新潟駅から乗り換えた特急「いなほ」は、海側の席を確保。村上を過ぎると、日本海の荒波が視界に広がる。

静かな青ではなく、荒々しい冬の海。その表情に、つい見入ってしまう。

鶴岡駅に到着したのは昼過ぎ。

駅前で食事をとるつもりだったが、大晦日ということもあり多くの店が閉まっている。歩いて宿まで向かうことも考えたが、降り積もったばかりの雪は想像以上に歩きにくく、タクシーを選んだ。
スイデンテラスに到着すると、周囲は一面の雪景色。

吹雪の中に浮かぶ建物は、どこか非日常的で、それでいて静かな存在感を放っていた。



チェックインまでの時間は、館内の「ムーンテラス」で軽く一杯。

窓の外に広がる白い景色を眺めながら、ゆっくりと時間を過ごす。年末年始ならではのイベント案内も掲示されており、年越しそばや振る舞い酒など、季節の行事がさりげなく用意されている。

15時、チェックイン。

シンプルなツインルームに入ると、紅白のお餅が用意されていた。自宅に戻ってからお雑煮にできるよう、レシピも添えられている。こうした小さな心配りが、この宿らしい。

荷をほどき、まずは温泉へ。
スイデンテラスはサウナでも知られる宿で、館内には個性的な空間が広がっている。
この日は「天色の湯」へ。
内湯から外湯へとつながる緩やかな曲線が美しく、露天からは庄内の山並みを望むことができる。
六角形をモチーフにしたサウナは、建築としての面白さも感じさせる空間。身体が温まった後は、水風呂ではなく、雪の中での外気浴へ。冷たい空気が、ゆっくりと体を整えてくれる。
湯上がりは、ライブラリーで本を手に取る。


読み疲れたらサケバーへ。


誰にも合わせる必要のない時間は、それだけで贅沢だ。
夕食は、庄内の食材を中心にしたコース料理にペアリングを添えて。

一皿ごとに土地の個性が感じられ、料理と酒が自然に寄り添う。派手ではないが、丁寧に積み重ねられた味わいだった。











連泊しても食事に小さな変化が用意されており、滞在のリズムに合わせて楽しみが続いていく。
<二日目の夕食>








夜が更け、年越しの時間。
再びレストランへ向かい、年越しそばをいただく。宝谷かぶと海老の天ぷらが添えられた一杯は、静かな満足感をもたらしてくれた。

翌朝は元日。
「お正月特別朝食」には、庄内の食材を生かした料理が並び、土地の正月をそのまま味わうような内容だった。

朝食後、雪が少し落ち着いたのを見計らって外へ出る。
雪道を踏みしめながら、荘内神社へ初詣。鶴ヶ岡城址公園の中にある神社は、静かで、凛とした空気に包まれていた。



新しい年が、穏やかでありますように。
そんな願いを胸に、冬の庄内を後にした。