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宮沢賢治ゆかりの地・花巻を巡るモデルコース|記念館・童話村と鉛温泉「藤三旅館」

更新日:2026年2月16日

宮沢賢治記念館 入り口11月の三連休。遠野と宮沢賢治、そして中尊寺金色堂を巡る二泊三日の旅、その二日目。朝の澄んだ空気の中で中尊寺金色堂を後にし、次に向かったのは花巻市。宮沢賢治ゆかりの地を、子どもたちとともに巡る一日だ。

花巻市には、宮沢賢治記念館、宮沢賢治童話村、宮沢賢治イーハトーブ館と、賢治の世界に触れられる施設が点在している。それぞれが徒歩圏内にあり、ゆるやかに行き来できるのも魅力だ。


まず訪れたのは宮沢賢治記念館。


宮沢賢治記念館
宮沢賢治記念館 紅葉

館内は、科学、芸術、宇宙、宗教、農という五つのテーマで構成され、賢治の思想や活動が丁寧に紐解かれている。童話作家としての印象が強い宮沢賢治だが、その作品の背景には、幅広い分野への探究心があったことがよく分かる展示内容だった。


宮沢賢治記念館 展示

小学2年生と年長の子どもたちにとっては少し難しかったかもしれないが、それでも何かしら感じ取るものはあったように思う。
記念館の敷地内には、「注文の多い料理店」に登場するレストラン「山猫軒」がある。


山猫軒

人気店だけあって一時間ほど待つことになったが、その時間も含めてひとつの体験。いただいた「山猫すいとんセット」は、花巻の郷土料理を気軽に味わえる一皿で、素朴ながら印象に残る美味しさだった。


山猫すいとんセット
紅葉 落ち葉

食後は宮沢賢治童話村へ。


賢治の学校

ここは、賢治の童話の世界を体験として楽しめるミュージアムで、子どもたちが自然と夢中になる仕掛けが随所にちりばめられている。
なかでも「賢治の学校」にある「大地の部屋」は印象的だった。イーハトーブの自然を象徴する昆虫や植物が巨大な造形となって現れ、まるで物語の中に入り込んだかのような空間が広がる。子どもたちは時間を忘れてその世界に没入していた。


賢治の学校 展示

「賢治の教室」では、ログハウスの中に植物や動物、星や石が展示され、五感で楽しめる工夫が心地よい。


宮沢賢治童話村

最後に訪れたのは宮沢賢治イーハトーブ館。


宮沢賢治イーハトーブ館 入り口
宮沢賢治イーハトーブ館 建物

ここでは、賢治に関する図書や研究、芸術作品が収集・展示されている。訪れた際には、館内のシアターで童話のアニメーションが上映されており、子どもたちも静かに見入っていた。賑やかな童話村とは対照的に、落ち着いた時間が流れている。


こうして半日をかけて宮沢賢治の世界を巡った後、この日の宿へ向かう。
目的地は、鉛温泉「藤三旅館」。宮沢賢治が愛した宿として知られ、作品にも登場する、今回の旅の締めくくりにふさわしい場所だ。


藤三旅館

花巻市内から車で約30分。最後は細く急な坂道を下り、静かに佇む藤三旅館へと辿り着く。
総檜造りの本館は、時間を積み重ねてきた建築ならではの落ち着きをまとっている。受付で簡単な説明を受け、歴史を感じる廊下を歩き、客室へ。


藤三旅館 廊下
藤三旅館 部屋

しつらえは質素で、過剰な装飾はないが、その分、空間に余白がある。


荷物を置き、さっそく温泉へ。
館内には四つの湯があり、「白猿の湯」、「桂の湯」、「白糸の湯」、「銀の湯」と、それぞれ趣が異なる。時間帯によって男女が入れ替わるため、複数の湯を楽しめるのも魅力だ。


中でも「白猿の湯」は印象深い。
階段を降りた先に現れる深い湯は、立ったまま入る独特の造りで、足元から温泉が湧き出している。静かな空間に身を置くと、自然と呼吸が整っていく。
また、この湯場は映画『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋のモデルのひとつとも言われており、その独特の空間はどこか物語の中に入り込んだような感覚をもたらしてくれる。


一方で、「白糸の湯」では「なめとこ山のサウナ」を楽しめる。宮沢賢治の世界観をモチーフにした空間は、伝統的な宿に新しい魅力を加えている。セルフロウリュ、水風呂、外気浴まで揃い、サウナとしての完成度も高い。


夕食は、屏風で仕切られた落ち着いた空間で。


藤三旅館 夕食

岩手の食材と郷土料理が並び、特にご飯の美味しさが記憶に残る。派手さはないが、土地の力をそのまま感じる食事だった。


翌朝の朝食も同じ会場で。


藤三旅館 朝食

仕切り箱に整えられたおかずとともに、やはりご飯の美味しさが際立つ。旅の締めくくりとして、穏やかな朝を迎えた。


今回は昭和初期に建てられた木造の客室に宿泊したが、館内には鉄筋造の新しい客室もあり、好みに合わせて選べるのも嬉しい。



宮沢賢治の世界に触れ、その余韻のまま温泉に身を委ねる。
物語と現実がゆるやかに重なるような、静かな一日の終わりだった。



さて次はこども本の森遠野・道の駅・ジンギスカンなど今の遠野を巡る旅へと続く...

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