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今の遠野を巡るモデルコース|こども本の森遠野・道の駅・ジンギスカンを巡る1日旅
更新日:2026年2月16日
11月の三連休。遠野と宮沢賢治、そして中尊寺金色堂を巡る二泊三日の旅も、いよいよ終盤。
この日の目的地は、ずっと訪れてみたいと思っていた遠野だ。
日本の原風景が残るといわれるこの土地。
名前は知っていても、実際にどこにあるのかを説明できる人は意外と少ない。「遠野に行く」と話すと、「どこ?」と聞き返されることも多い。
けれどその歴史は古く、七つの街道が交わる交通の要所として栄え、柳田国男の『遠野物語』によって、カッパや座敷童子といった民話の舞台としても知られている。近年では、ホップの生産地や遠野ジンギスカン、多田自然農場の乳製品など、“食”の魅力も静かに広がっている。
今回の旅の大きな目的は、「こども本の森 中之島」に続いて訪れる「こども本の森 遠野」。

安藤忠雄氏が設計したこの場所は、中之島とは異なり、予約不要かつ時間制限がない。子どもたちが思う存分、本の世界に浸れることが何よりの魅力だった。以前、中之島で兄が1時間半も夢中で本を読んでいた姿が印象に残っており、今度は時間を気にせず過ごさせてあげたい——そんな思いもあった。
前夜に宿泊した鉛温泉「藤三旅館」から車でおよそ1時間。遠野市内へ入ると、碁盤目状の通りに沿って、落ち着いた家並みが続く。城下町の面影を残す、穏やかな風景だ。
「こども本の森 遠野」は、その街並みの中に自然に溶け込むように佇んでいる。
約120年前の古民家(旧三田屋)をリノベーションした建物は、どこか懐かしく、それでいて新しい。到着は開館前の9時半少し前。静かな空気の中、建物の周囲を歩きながら、その佇まいを味わう。

やがて開館。子どもたちは迷うことなく中へと駆け出していく。


館内は2階建てで、吹き抜けの本棚には多様な本がびっしりと並ぶ。視線を上げるだけで、どこかへ連れていかれそうな気配がある。古民家特有の通り土間には下駄が用意されており、歩くこと自体もひとつの体験になっている。



兄は今回も「かいけつゾロリ」や「ロボット」「ロケット」の本に夢中になり、床に寝転びながら読みふけっていた。時間に追われない読書の姿は、見ているこちらまで穏やかな気持ちになる。

昼が近づくにつれて来館者も増え、館内には子どもたちの声が自然と広がっていく。
静けさだけが正解ではない、声を出して楽しめる図書館。こうした場所がもっと増えてほしいと思う。
昼食は、入口に置かれていたマップを頼りに、駅前の「喫茶待月」へ。
街を歩く時間もまた、この場所の魅力の一部だ。食後は再び「こども本の森 遠野」へ戻り、もうひととき読書の時間を過ごす。
気がつけば午後2時。名残を感じながら退館すると、かっぱの折り紙しおりを手渡された。ささやかな記念が、遠野らしい。
その後は、カッパ伝説で知られるカッパ淵へ。



ただ、事前に物語を知らずに訪れると、静かな小川に見えるだけかもしれない。遠野という土地は、想像力と知識が重なってはじめて、その魅力が立ち上がる場所なのだと感じた。
続いて立ち寄った「道の駅 遠野風の丘」は、午後にもかかわらず駐車場が満車。
遠野名物の「バケツジンギスカン」や、多田自然農場の乳製品、地元ホップを使った地ビールなど、この土地の“美味しい”が集まる場所だ。我が家も多田自然農場のソフトクリームを味わい、小さな満足を重ねる。
この日の宿は「あえりあ遠野」。
遠野市内は宿泊施設が多くないため、多くの人は花巻温泉郷に宿を取るのかもしれない。それでも、この土地に一泊することで見える景色があるように思えた。
夕食はホテルではなく、「じんぎすかんあんべ」へ。創業70年を超える老舗ながら、店内はすっきりとしていて現代的。配膳ロボットが料理を運ぶ様子に、どこか時代の重なりを感じる。
食べ比べセットを選び、気負わず遠野の味を楽しんだ。人気店のため休日は予約はできないが、17時の来店で20分ほどの待ち時間だった。
食後はホテルへ戻り、大浴場で体を温め、そのまま眠りへ。
翌朝は、ホテルの裏手にある紅葉が見頃の「鍋倉城跡」や、隣接する「遠野市立博物館」を訪れる。



遠野市立博物館は民俗に特化した施設で、「遠野物語」の世界が分かりやすく展示されている。子どもよりも、大人がじっくりと楽しめる場所かもしれない。



遠野という土地は、派手な観光地ではない。
けれど、物語と風景、そして時間が静かに重なり合う場所だった。
追伸。
近頃は健康志向の高まりとともにノンアルコールビールも増えてきたが、どこか物足りなさを感じることも多い。
その点、「道の駅 遠野風の丘」で出会った「遠野 風の丘 HOP SODA」は、ビールとは異なるものの、代わりとして楽しめる一本だった。
すっきりとした飲み口の中に、ほのかな苦味とホップの香りが広がる。
ふるさと納税でも手に入るようなので、旅の余韻を日常で味わいたい方にはおすすめしたい。